谷川建設

谷建会

木造建築の匠集団―谷建会

木曽檜にこだわる谷川。その魅力を最大限に引き出すには、素材を知りつくし、生かしきることができる匠が必要です。

「谷建会」とは、谷川が各地域・支店ごとに組織化している匠の集団。技能・精神ともに優れた棟梁を中心に、伝統を継承し、日々の修練で培った技で、一棟一棟を「責任施工」しています。
谷川の家は、プロフェッショナルとしての誇りを持つ匠たちが丹念に造りあげる、カスタムメイド・ハウスなのです。

割り切れないから大工の仕事は、面白い。深い。

尺貫法というものをご存じでしょうか。これは日本独特のモジュール(基準となる大きさ)で、柱の間隔や建具の寸法など、さまざまな所で使われています。
現在でも建築では材料の規格寸法が尺貫法で作られているものが多く、大工の会話では「間〈けん〉・尺〈しゃく〉・寸〈すん〉・分〈ぶ〉・坪〈つぼ〉」といった言葉が使われます。基準となる寸法は1寸≒3.03センチメートル。お分かりになりますか。「≒(ほぼ等しい)」つまり、西洋の基準では割り切れないのです。
このこと一つとってみても、大工の仕事や技は日本独特の文化なのです。割り切れない。それは大工という職業人の精神基盤でもあります。正確に言えば割り切れないのではなく「割り切らない」のです。大工は仕事を仕事と割り切りません。匠になればなおさら。適当に「切り」をつけることなく、念を入れます。谷川のスタンスもこのような精神と「≒」。谷川の家は、日本伝統の心と技に支えられています。だからこそ、この文化を未来へ、継承していきたいのです。

匠の技と道具

鉋をかける

鉋〈かんな〉を巧みに使いこなす姿は鯔背〈いなせ〉。大工にとっての憧れです。表面の仕上げ具合に応じて、刃を自在に入れて使う技には、熟練の勘がなによりも必要となります。

鑿でうがつ

材木に穴をあけたり、溝を掘ったり。鑿〈のみ〉の種類は多様ですが、状況によって使い分ける技こそ匠の真骨頂です。匠の中には特注の鑿を使う人もいます。

指矩でつける

木材を細工するための基準、切る長さや厚さを決めるためのものさしが指矩〈さしがね〉。この指矩を使い基準となる墨を付けます。

お客様の造る谷川の家が、左官という日本独自の文化を守り育てます

左官は大工と並ぶ、建設の専門職人。11世紀には独立した職業して認められており、道具の鏝〈こて〉はその頃から今にいたるまで使われて続けています。しかし、最近は漆食〈しっくい〉などを使用する本格建築が少なくなり、職人の減少が懸念されています。

谷川の木の家は、木材と共に壁材にも強いこだわりを持っており、その壁材を最大限に生かすには左官の卓越した技が必要です。そこで「谷建会」を中心とした左官の育成による、伝統の技と心の継承を図っています。

左官の匠は「日曜大工という言葉はあっても、日曜左官という言葉はない」と苦笑混じりに言います。それほどに専門性の高い日本の文化だからこそ、守り育てなければなりません。谷川の木の家をご注文されたお客様は、それだけでこの活動に参加いただいたことになるのです。

匠を育てるのは、何より多くの現場での経験ですから。